「63年ぶりの里帰り」
2006年3月、私は15名の日本人の方と一緒にCMHゴシックスに入りました。
天候にも雪にも、そしてメンバーにも恵まれて楽しい一週間を過ごすことができました。
最終日、カリフォルニア州から奥さんと二人で参加していたスティーブが「ここに来ている
日本人のみんなにお願いがある」と、封筒に入った書類を私に渡すのです。
中から出て来たのはかなり昔に撮ったと思われる日本人家族の写真と長い英文の手紙。
要約すると、スティーブの父親が硫黄島で太平洋戦争の終戦間際、
日本人捕虜から託された2枚の写真を家族へ返したいとのことでした。
彼の父は2004年に他界してしまいましたが、スティーブに写真の返却を遺言として託したそうです。
彼自身の弁護士という立場で、アメリカの公文書図書館など八方手を尽くして探したけれど
手がかりはつかめなかったそうで、藁をもすがる思いで私たち日本人グループにお願いするとのことでした。
CMHヘリスキーから帰国後、私は硫黄島の遺族会を通じて調べたり、
朝日新聞の力を借りて調べたりしましたが進展はありませんでした。
お客様の何人かも尽力されていましたがやはり結果は同じでした。
静岡の塩澤伸介氏も昔の教え子の力を借りて探されたり、何度も上京してこの日本人
捕虜の方が住んでいた新宿区淀橋の住人に尋ねられたりしている様子が、
テレビのドキュメンタリー番組として取り上げられたりもしました。
次のサイトで放映された番組をご覧いただけます。(CM部分は省いてありますので画面が黒くなります。)
http://www.stevelopardo.com/iwo_jima.mp4
そして塩澤氏の純粋で粘り強い努力により、ついにこの写真に写っている方の家族を見つけ出すことができたのです。
写真返却のためにスティーブ夫妻は平成20年12月9日に来日し、12月11日、63年ぶりにこの2枚の写真を家族に返却しました。
(この素晴らしい出来事は静岡新聞にも掲載されました。ここでその記事を転載できたらと考え、
静岡新聞に確認をしたところ、残念ながら肖像権の問題などでご紹介できないということでした。)
今回の件を通じて私は改めて人のつながりの大切さを痛感いたしました。
そして人との出会いを演出する旅の素晴らしさを再認識しました。
この素晴らしい出来事は塩澤氏のご尽力の賜物と思います。本当に有り難うございました。
塩澤氏からもこの出来事についてお言葉をいただいておりますので、ご紹介いたします。
あなたは最近どんな旅をされましたか?どんな方と巡り会いましたか?
CMHジャパン 住川賛